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2026年6月23日:知っておきたい「抗生剤(抗菌薬)」の正しい知識と歯科での使われ方

デンタルチームジャパンでは、患者様に安心・安全な治療を提供するため、定期的に院内勉強会を実施して知識のアップデートを図っています。

今回は、歯科治療(抜歯や手術の後など)でもよく処方される「抗生剤(抗菌薬)」をテーマに勉強会を行いました。「そもそも抗生剤ってどんな薬?」「なぜ正しく飲み切る必要があるの?」といった、患者様にもぜひ知っていただきたい大切なポイントを分かりやすく解説します。

1. 抗生剤(抗菌薬)とは?ウイルスには効かない理由

よく「風邪やインフルエンザになったから抗生剤をちょうだい」と言われることがありますが、実は抗生剤はウイルスには一切効きません。

  • 抗生剤(抗菌薬)が効く相手:『細菌』 細菌は、細胞壁という「殻」を持った生き物です。抗生剤はこの細胞壁などを破壊することで、体内の細菌を死滅させます。
  • インフルエンザなどの原因:『ウイルス』 ウイルスは細胞を持たないため、抗生剤で攻撃するポイント(細胞壁など)がそもそもありません。そのため、インフルエンザには専用の「抗ウイルス薬」を使用します。

Q. では、なぜ風邪やインフルエンザで抗生剤が出ることがあるの?
ウイルスによって喉が激しく炎症を起こしたり、体力が落ちたりした結果、別の「細菌」にも追加で感染してしまうこと(二次感染)があります。病院で抗生剤が処方されるのは、この「二次感染の予防や治療」のためです。

2. デンタルチームジャパンでよく使われる抗生剤とその特徴

歯科治療では、抜歯後の感染予防や、歯周病・根の先の炎症(膿)を抑えるために抗生剤を処方します。当院で扱う主なお薬の特徴を勉強会で共有しました。

  • ペニシリン系(サワシリンなど) 【第一選択薬】
    非常に広範囲の細菌に効果があり、一般的な歯科感染症に広く使われます。たまに腸内細菌のバランスが変わり、お腹がゆるくなる(下痢)ことがあります。
  • マクロライド系(クラリス、ジスロマックなど)【組織移行性が高い】
    歯肉や歯周組織によく届くため、歯周炎が強い方や、抜歯後に痛みが激しく治りが遅い方に効果的です。優れた「抗炎症作用」も持っています。
  • ニューキノロン系(レボフロキサシンなど) 【難治性の症例に】
    ペニシリン系などがあまり効かないような、治りにくい感染症に使用します。 ※注意点:ロキソニンやボルタレンなどの「非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs)」と併用すると、稀に痙攣(けいれん)などの副作用が出る報告があるため、組み合わせに注意が必要です。
  • セフェム系(ケフラールなど)
    歯科でもよく使われる系統ですが、ワーファリン(血液をサラサラにする薬)などの効果を強めてしまう相互作用があるため、患者様の持病や服薬状況をしっかり確認して処方します。

3. 重要:「症状が良くなっても、途中で止めないで!」

抗生剤の服用で最も大切なルールは、「処方された分は最後まで必ず飲み切る」ということです。

お薬を飲み始めて半分くらい経つと、菌の数が減って症状が楽になります。ここで「もう治ったから」と自己判断で飲むのを止めてしまうのが一番危険です。 体内に中途半端に生き残った細菌は、その抗生剤に対する抵抗力を身につけ、薬が効かない「薬剤耐性菌(AMR)」へと進化してしまいます。

次に同じ薬を飲んでも全く効かなくなってしまうため、症状が軽くなっても、体内の菌を完全に死滅させるために「3日分なら3日分、4日分なら4日分」を必ずスケジュール通りに飲み切ってください。

まとめと今後の診療に向けて

抗生剤は正しく使えば非常に心強い味方ですが、使い方を誤ると「薬が効かない菌」を体内で育ててしまうリスクがあります。

今回の勉強会を通じて、スタッフ一同、各薬剤の特徴や注意すべき副作用、他のお薬との飲み合わせについて改めて知識を深めました。患者様へ処方する際のアドバイスにも活かしてまいります。皆様も、お薬を処方された際はぜひ「正しく飲み切る」ことを意識してくださいね。

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