当院では、より精度の高いインプラント治療・補綴治療を提供するため、歯科医師・歯科技工士・スタッフ間の技術共有を定期的に行っています。
今回は、歯科技工士の DT木山 が講師となり、
「マウンティング(模型装着)」と「ステント作製(エルコプレス)」をテーマに院内勉強会を実施しました。
■ インプラント治療における“正確な模型再現”の重要性
インプラント治療では、口腔内で得られた情報を、どれだけ正確に模型へ再現できるかが治療精度に直結します。
今回の勉強会では、
仮歯(プロビジョナル)で整えた歯肉や咬合面の形態を、模型上でも忠実に再現するための手順について解説しました。
- 不必要な部分の除去
- 歯肉形態のレジンによる盛り足し
- プロビで形成された形態を“そのまま最終補綴につなげる”ための再現方法
これらは、補綴物の適合性と長期的な安定に欠かせない工程です。

■ ベリフィケーション(精度確認)の徹底
インプラント位置の誤差を最小限に抑えるため、
「ベリフィケーションジグ」を用いた確認方法についても共有しました。
- アナログ模型は石膏膨張などの影響で “わずかな誤差” が生まれる
- わずか数十ミクロンのズレでも補綴物の適合に影響する
- レプリカ(模型用インプラント)が傷んでいると誤差が大きくなる
など、技工士の丁寧なチェックが治療成功に直結することを再確認しました。
■ エルコプレスを用いたステント作製(CT撮影時の位置確認装置)
CT撮影時に位置情報を正確に残すためのステント作製についても紹介しました。
- 歯を引っ掛ける維持がないケースで使用
- 装置の裏面形態を石膏で正確に写し取る
- 機械成形で安定したステントを作製できる
こうしたステントの精度が、診断と治療計画の正確性につながります。
■ 登壇者紹介(DT.木山)

歯科技工士歴 12年。
長年の経験を生かし、患者様一人ひとりのご希望に寄り添った補綴物(かぶせ物・義歯・インプラント上部構造)の製作を担当しています。
木山は、補綴物を製作する際に
「患者様がどのような見た目や機能性を求めているのか」を丁寧に汲み取り、それを形として実現することを大切にしています。
- 色や形態の自然さ
- スマイルラインの美しさ
- しっかり噛める機能性
- 表情や会話時の歯の見え方
こうした要素を総合的に判断しながら、患者様の理想に近づけるよう製作を進めています。
また、患者様とのコミュニケーションから得られる情報も大切にしており、話している時の歯の見え方や丸み、膨らみなども補綴設計の参考にしています。
患者様が納得し満足いただける仕上がりを目指して、日々技術向上に努めています。
■ 今回の勉強会を通して
インプラント治療や補綴治療は、
歯科医師・歯科技工士・スタッフ全員の精密な連携によって成り立つ治療です。
今回の技術研修を通して、より精度の高い治療提供に向けた知識と技術を院内で共有することができました。
今後も、患者様に安心して治療を受けていただけるよう、スタッフ一同、技術向上に努めてまいります。
