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インプラントは何歳まで可能?高齢者の年齢制限や持病リスクを解説

歯を失った際の治療法として人気の高い インプラント。見た目や機能性に優れるため、多くの方が検討されますが、年齢制限 があるのではないかと心配される方も多いでしょう。
特に 高齢になってからインプラント治療を受けることに不安 を感じる方は少なくありません。
この記事では厚生労働省と日本歯科医師会の資料を基に、インプラントの年齢制限や高齢者が治療を受ける際の注意点について詳しく解説します。

インプラントは何歳までできる?年齢制限の目安

健康状態が良好で体力のあるシニア世代のイメージ写真

インプラント治療には上限の年齢制限はありません。インプラント治療は主に歯を失う機会の多い40歳後半から60歳代の方が中心となっていますが、高齢者であっても抜歯などの手術を受けられる健康状態であれば可能です。

90代でも治療できる条件とは

90代でも体が元気で、手術に耐えられる体力があればインプラント治療は受けられます。しかし、年齢を重ねるにつれて持病や体調の不安を抱える方は増えていく傾向にあります。

「自分は大丈夫だろうか」と不安に思われる方も多いでしょう。安心して治療に臨むために
まず検査から始めましょう。レントゲンで骨や歯の位置を確認し、必要に応じてステントを使いながらCT検査を追加するのが望ましい方法です。

CTでは 骨を立体的に映し出せる ので、どの角度からでも状態を把握できます。実際に私が見てきたケースでも思った以上に骨が薄くて驚かされることがありました。複数の検査を組み合わせることで、より確実で安全な治療計画を立てられるのです。

年齢よりも健康状態が重要な理由

口腔のレントゲン画像を確認しながら治療計画を立てる歯科医師

インプラント治療で重要となるのは実年齢ではなく肉体年齢です
治療を判断する際には次の点が大切となります。

  • 健康状態や骨の強さ: 手術や麻酔に耐えられる体力があるかどうかが重要
  • 年齢差の事例: 90代でも健康で骨密度が高い方は治療できる一方、50代でも持病や体力低下で治療が難しいケースがある
  1. 問診で基礎疾患を正確に把握する
  2. 持病がある場合は、主治医に相談し必要な検査データを歯科医師に共有する
  3. 健康状態をしっかり確認したうえで治療計画を立てる

なお、過去には健康状態を詳しくヒアリングすることで、ご本人が気づいていなかった病気が見つかったケースもありました。持病を抱えて治療を受けていない場合は、まずそちらを優先することが推奨されます。

女性18歳・男性20歳未満は不可とされる背景

一方で下限の年齢制限については明確な基準があります。日本歯科医師会によれば、女性は18歳、男性は20歳くらいになるまでは基本的にインプラント治療を行いません。これは顎骨が発育途上にあるためです。現在のインプラントは骨と結合する性質があるため、顎骨の発育に伴ってインプラントが骨の中に埋没してしまう可能性があります。

高齢者のインプラント治療に伴うリスク

歯の痛みに悩む高齢男性の写真 高齢者のインプラント治療リスクを示すイメージ

骨量や体力面で注意すべき点

年を重ねると骨密度が低下していくもの。顎の骨も例外ではなく、若い頃と比べて量や質が落ちていることがよくあります。インプラントを支える強度が足りなければ、骨移植といった追加処置が必要になるケースも。手術に耐える体力や回復力も忘れてはならない大切な要素です。

インプラント生存率は10~15年後で上顎で約90%、下顎では94%ほど。抜歯してすぐ埋入したり、骨移植を伴ったケースでは若干下がるものの、それでも87~92%の成功率を維持しています。つまり、あなたに合った治療計画をしっかり立てれば、高い成功率が期待できるのです。私たちが大切にしているのは一人ひとりに合わせた計画なのです。

骨粗しょう症とインプラントの関係

50歳を過ぎた女性に多い骨粗しょう症はインプラント治療のリスクになりえます。当然ながら骨は軟らかいより硬い方が臨床成績は良いです。では諦めるしかないのか、という訳ではありません。インプラント体の埋入テクニックを工夫したり、骨との結合性に優れたインプラント素材を選んだりすることで、多くの場合は対処可能となります。

術後に起こりやすい合併症とその対応

術後の合併症リスクに備えて入院中の高齢患者を診察する医師と看護師

年齢を重ねると、若い方より手術後の回復には時間がかかります
ですので合併症の対策としては以下のような点が大切です。

インプラント手術で注意すべき重篤なトラブルとして下歯槽神経麻痺があります。発生率は0.13%~8.5%とされていますが、適切な治療計画で多くは予防可能です。

万が一神経麻痺が起きた場合の対応

このように万が一への準備を整えておくことで、安心して治療に臨むことができます。

持病や生活習慣が与える影響

薬の服用と骨の健康状態がインプラント治療に与える影響を表すイメージ

糖尿病や心疾患などの基礎疾患

インプラント治療を検討する際に十分に考慮すべきは基礎疾患です。循環器系の病気(虚血性心疾患、高血圧、先天性心疾患など)や糖尿病など、特に注意すべき疾患として挙げられます。

糖尿病の方は感染症にかかるリスクが高まることが日本歯科医師会の資料でも指摘されています。現場では実際に傷の治りが遅くて不安を感じる患者さんも多くいらっしゃいます。

血糖値が安定しない状態でのインプラント治療はリスクが高まるため、まずはしっかりとコントロールすることが大切です。

循環器の問題も同様で、症状が重かったり不安定だったりする場合は特に注意が必要です。
治療のタイミングを慎重に見極めることがインプラント治療の成功につながります。

薬の影響(ビスフォスフォネート製剤・ステロイド)

ビスフォスフォネート製剤を使って骨粗しょう症の予防や治療をしている方は、手術後にまれに顎の骨が壊死するリスクがあります。
ただし、薬の種類や投与期間によっては対応できるケースもあるので、必ず主治医に相談して判断を仰ぐことが大切です。

喫煙が与える悪影響と禁煙の重要性

タバコを吸う手元の写真 インプラント治療に影響する喫煙習慣のリスクを表現

タバコを吸うと口内にある粘膜の血流が悪くなり、傷の治りを遅らせるだけでなく骨を作る働きにもブレーキをかけてしまいます。思ったより骨の回復が遅いと感じるケースに喫煙習慣が関わっていることが多いのです。

喫煙者と非喫煙者ではインプラント治療の成功率に差が出ており、非喫煙者の方が成功率が高いということが国内外の研究結果で明らかとなっています。

気をつけていただきたいのは、手術の成功率だけじゃないということ。術後の経過にも大きく影響するんです。せっかく成功したインプラントを長持ちさせるためには、メンテナンス期間に入っても禁煙を続けることが大切です。

金属アレルギーのリスクと事前検査

インプラント体には多くの場合、金属アレルギー反応がおきにくいチタンが使われますが、ごくまれにチタンでもアレルギー反応を起こす可能性があります。他の金属にアレルギーを持っている場合はリスクが高いので、治療前にパッチテストや血液検査で確認しておくと安心です。

若年層(10代)のインプラント治療が難しい理由

成長期の子どもは顎骨が発達途中のためインプラント治療が難しいことを示すイメージ

成長期の顎骨とインプラントの関係

成長期の子どもには基本的にインプラント治療を行いません。インプラントが骨と結合する性質を持つため、顎骨の発育に伴いインプラントが骨の中に埋没してしまう可能性があります。そのため歯並びや高さの不揃い、噛み合わせ不良など問題が生じる可能性があります。

骨の成長が止まる18歳・20歳を基準とする理由

女性はだいたい18歳前後、男性は20歳前後で骨の成長が止まるといわれています。だからインプラント治療を始めるのは、この時期以降が安心なんです。ただし個人差がありますので、実際の診療でもこの年齢をひとつの目安にして「もう始めて大丈夫かどうか」を判断しています。

代替治療法としての入れ歯・ブリッジの選択肢

インプラント治療が難しい若年層に向けて入れ歯やブリッジの選択肢を説明する場面

若いうちに歯を失っても、骨の成長が完全に止まるまでインプラント治療はできません。それまでは入れ歯やブリッジといった方法になります。

興味深いのは、失った歯の両側に歯がある状態(中間欠損と言います)の場合、ブリッジとインプラントの生存率を比べると、5年後も10年後もほぼ同じなんです。歯の欠損状態によっては、インプラント以外の方法が適していることもあるので、治療の相談を受けるときは本人の意思を大切にしています。

治療を長持ちさせるための工夫とメンテナンス

インプラント治療後の定期検診で歯周ポケットを確認する歯科検査の様子

定期検診を受けることで残存率が高まる

インプラント治療後は、定期的に検診を受けることが重要です。いわゆるサポーティブセラピーと呼ばれる継続的なケアです。

インプラント周囲の状態を確認するときには、プロービング検査が行われます。目盛りがついた細い器具で歯周ポケットの深さを測り「プロービング値」をチェック。その変化から炎症を判断します。さらに膿が出ていないかを確認し、レントゲン写真で骨の状態もあわせて診ていきます。

いくつもの検査を組み合わせて診断することが重要だと感じており、そうした取り組みが患者さんの安心にも結びついています。ご自身の検査をつい後回しにしていませんか?

歯周病やインプラント周囲炎の予防策

歯周病の経験がある方はインプラントを入れる場合、注意が必要です。
私が臨床で感じるのは、歯周病のケアがインプラントを長持ちさせるうえで欠かせない要素だということです。
特に印象的なのは、広汎型侵襲性歯周炎という、歯周病にかかりやすい体質の方です。慢性歯周炎の方や歯周病にかかっていない方と比べて、インプラントの残存率が低く、術後のトラブルも多いんです。

もしインプラント周囲炎が起きてしまったら?治療は大きく分けて非外科と外科の二つ。非外科治療でもある程度の効果は期待できますが、歯科医院で行う専用の機械を使ったクリーニングを組み合わせた方がより良い結果につながることが多いんです。患者さんご自身のセルフケアもとても大切ですね。

生活習慣改善(食事・禁煙・口腔ケア)の重要性

毎日の口腔ケアを続け、禁煙やバランスのとれた食生活など生活習慣を見直すことでインプラントを長持ちさせましょう。とくに喫煙は成功率に大きな影響を及ぼすため、禁煙を強くすすめます

まとめ:インプラントは何歳までできる?

若年層から高齢者まで幅広い世代が対象となるインプラント治療のイメージ

年齢制限と健康状態の両方を考慮する重要性

インプラント治療の下限については女性18歳、男性20歳が目安とされている一方で、上限の年齢制限はありません。90代であっても健康状態が良好であれば治療を受けることができます。ただし、単純な年齢だけではなく、全身の健康状態や骨の状態、手術に耐えうる体力が重要な判断基準となります。

高齢者・若年層それぞれの注意点を整理

高齢の方の場合、骨粗しょう症や糖尿病、心臓の病気といった基礎疾患があるかどうかが大きなポイントです。また、どんなお薬を飲んでいるかでも治療の可否が変わってきます。

若い方の場合は顎の骨がまだ成長途中だと、せっかく入れたインプラントが埋没してしまうリスクがあります。これは顎の骨が成長する一方で、インプラントは動かないため、相対的に沈み込んでしまう現象なんです。

結局のところ、「この年齢だからこうすべき」という画一的な答えはなく、それぞれの年齢層特有の注意点を踏まえた上で、患者さん一人ひとりに合った治療計画を立てることが何より大切だと考えます。

治療を長持ちさせる工夫と将来の安心につなげる

インプラント治療は一度行えば終わりではありません。定期的な検診や適切な口腔ケア、禁煙などの生活習慣改善を継続することで、インプラントの寿命を延ばし、快適な生活を送ることができます。治療後のメンテナンスの継続が、将来の安心につながります。

インプラント治療を検討される際は、ご自身の年齢や健康状態について歯科医師としっかり相談し、最適な治療計画を立てることをおすすめします。

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