今回の勉強会では、
ファイナル補綴における印象工程の考え方と、
過去に多かったスクリュー貫通・破折トラブルの原因について、実際のCAD/CAM構造を比較しながら学びました。
■ファイナル準備(2ndプロビ)とファイナルimpの違い
ファイナル準備(2ndプロビ)とファイナルimpで行う作業は、
工程自体は基本的に同じです。
- マウント
- ダブルスキャン
- ガム流し
- impを行うかどうかの判断
- 石膏流し
単冠であれば大きな差は出にくいですが、
多数歯・フルマウス症例になるほど技工待ちが長くなる傾向があります。
そのため、
2ndプロビの段階でベリフィケーションをしっかり採得できていれば、ファイナルでの技工工程を短縮できる
という点が重要なポイントとして共有されました。
■昔のハイブリッドでスクリューが突き抜けやすかった理由

昔のCAD/CAMハイブリッド構造では、以下の問題がありました。
- 削り出しCAD/CAMの影響でスクリューが止まる部分が非常に薄くなる
- 厚みが 約0.4mm程度 しか残らない設計も多かった
- 使用できるスクリューが限定され(例:ノーベル系)トルクが集中しやすい
その結果、
スクリューを締めるたびに接触部が摩耗し、
トルクをかけるほど突き抜けやすくなるという構造的な弱点がありました。
■スクリュー破折・貫通が起きた場合の問題点
一度スクリューが貫通・破折すると、
- スクリュー頭が抜け落ちる
- 削って除去する必要がある
- 深さが15mm前後あると操作が極めて困難
など、リカバリーが非常に大変になります。
また、無理に削ることで
インプラント内部や周囲構造を損傷するリスクも高まります。
■対処法として考えられる選択肢

勉強会では、以下の対処法が整理されました。
- ネジ穴を拡大し、オステムなど別メーカーのスクリューを使用
- 内面をくり抜き、チタンベース+マルチユニットへ変更
- オステムスクリューで貫通した場合は
チタンベースのマルチに変更+ベリフィケーション必須
ただし、
どの方法も 時間と工程が増えるため、最初の設計・選択がいかに重要かが強調されました。
■現在のCAD/CAM設計が優れている点
現在主流となっているCAD/CAM設計では、
- スクリューが止まる部分の厚みが 約0.8mm
- 貫通しにくい形状
- トルクが一点に集中しにくい構造
となっており、
昔に比べてスクリュートラブルは大幅に減少しています。
■まとめ
今回の勉強会では、
- ファイナル工程の考え方
- 昔のハイブリッド構造の弱点
- スクリュー貫通が起こるメカニズム
- 現在のCAD/CAM設計が改善されている理由
を、図解と実物比較を通して理解できる非常に実践的な内容でした。
デンタルチームジャパンでは、
このような勉強会を通じてトラブルを未然に防ぐ設計・診療精度の向上に取り組んでいます。

